向田邦子『家族熱』
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私の向田邦子歴は長い。
中学生ぐらいからかな。家の書斎にあった『父の詫び状』と、ほかの何冊かを読んだ。
たぶん、すべてエッセイ。

大学時代はその名前を思い出すこともほとんどなくて、つい3ヶ月ほど前『向田邦子の料理』という本を発見。

彼女の食に向ける情熱に、なんか親近感を覚えた。
とくに有名な「うの引き出し」のエピソード。
「う」と書いた引き出しの中にレシピの走り書きやウマイ店の新聞の切抜きなどをつめていたらしい。

私もやってる!


というわけで新たに2冊買った。
『無名仮名人名簿』と『家族熱』

この『家族熱』は元はドラマの脚本だから、家族の日常に他方向からの展開が多すぎる。
これが連ドラだと飽きは来ないだろうな。

でもまったく古さはなく、おもしろく読めた。

たぶん彼女自身の家族体験がベースになっているのだろうけど、作品には家族のメンバーの弱さや、あざとさみたいなものを細かに描いたものが多い。

その赤裸々さがドラマ放送当時の時代に、求められていたんだろうな。
by hoojapan | 2004-11-13 12:45 | BOOK、MAGAZINE
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